健康のためなら、死ねる

黄昏が綴る、日々の雑記

13年2か月に渡ってしがみついてきた悪霊を除霊した話

季節外れの人事異動内示があり、それによりますと、井村(仮名)が本部から現場事務所へ異動になっていました。

 

いました、と知らんぷり風味に書きましたが、異動になることは知っていました。物理的に同じ事務所にいますからね。大まかにですが、何があったのかくらいは察しがつきます。

 

井村は、これに先立って開催された人事委員会で糾弾されています。

各種ハラスメントに関する問題は年末に調査と処罰の終結が宣言されており、時期的に見て、最後の被糾弾者だったと思われます。

「まさかコイツだけは逃げ切れるのか?」と私は内心思っていたのですが、そうは問屋が卸さなかったようです。

 

お局さまが異動しなかった理由

井村が異動しない理由というのを聞いたことがあります。

「年齢的に他に移ると仕事ができる気がしない、怖いから」ということでした。

正直、ふざけんな、と思いましたね。

暗黙の了解で数年ごとの異動を前提とした立場なのが我々じゃないのかと。

それゆえの、立場、待遇だろうがと。

 

まして、井村は職種統合や人事制度改革、女性機会均等など…であらよあらよとステップアップもしていました。

 

改めて振り返ってみると、私は弊社入社以来3回の異動(と1回の事務所引越し)を経験していますが、井村はその間に一度たりとも部署も席も変わらなかったです。

人事担当者は業務の性格上、確かにあまり動かないけれど、それ以外だと極めて稀なケースで、そんな奴はほぼいないと言ってもいいかと。

いかに異質だったのかということです。

 

一カ所に長くいるから、その業務に「だけ」特化して、詳しい。

詳しすぎて文書の一言一句にまで突っ込みを入れまくることができる。

毎年のスケジュールを完全に把握しているから、マウンティングができる。

しかも、本部勤務なので、社内システム等を使って暗黙の公開処刑すらできる。

そんなことはさすがにやらないのが同じ会社に勤める者としての仁義だと思うが、こいつはそんなのお構いなしでした。

 

誰も文句が言えない。

完全に悪しき聖域と化していました。

 

若手職員を次々と退職させる、クラッシャー

過去に、何人もの若手職員が極めて短い年数で退職しました。

しかも、どういうわけか、気の利いたほうから順に辞めるのです。

仕事とは直接的な関連性はないため、ルッキズムのそしりもあるかもしれませんが、ハッキリ言って美形の子から辞めていきました。

 

私は拠点の事務所にいて「本部の若手職員はほんと短期間で辞めていくよな…」と気になっていました。そんなにさっさと辞めるような業務を若手に担当させるわけがないのですがね。

 

何人辞めたかわからない。例えば、前職で凄い業績を叩き出したという前評判の高かった女性も、ボッロボロで辞めていきました。

振り返ると、酷い状態だったのは本人のせいではなくて、どう考えてもこのお局さまの仕打ちによるものだよなぁ。

 

ある程度の年数、弊社に所属しているうちにわかったのが、本部のその部署には井村という魔物がとぐろを巻いて巣喰っているということでした。

そして、恐らくは、異動の無い一般職員の方々までもが、その取り巻きになるしかない状況があるということを汲んで取れました。

女性同士の社会だから、きっとやりにくいのでしょう。

 

犠牲者の無念は晴らしたかもしれないけれど、もう彼ら彼女らには伝えられない

13年2カ月に渡ってしがみついてきた「悪しき聖域」が遂に糾弾されたのだと私は解釈しています。

 

たまたま、この部署と間接的にやり取りすることが多い立ち位置だったので、ここに配属された若手職員の愚痴や悩みは時折耳に入ってきていました。

 

私は本部勤めではなかったので魔窟に怯える必要はありませんでしたが、拠点から見ていると、こうも続けて未来のエース級が潰されるとなると、人事採用計画もあったもんじゃない、と眉をひそめていました。

 

井村のいる凹凸課に配属されて辛い目にあってきた若手職員の皆さん(やむを得ず退職された方々を含む)の無念が今ようやく晴らされたのだと私は思っています。

 

しかし…かなりの人数をロストしてしましましたね。

一定の割合での退職は折込済とはいえ、だいぶ傷跡は深いと思います。

 

本人の挨拶に潜む、闇

異動の去り際に本人が語った挨拶によると、13年2か月前からしがみついてきたということは、2010年9月からということで。

そうか、9月からの異動だったのね。

 

当時の事など知る由もありませんが、ふだんあまりない期中の異動、何かキナ臭いものを感じました。弊社では特に問題がなければ期中の異動はあまりしないものだからです。

 

色々な人がいて当然ではありますが、本部で最も毒も影もあり、実際に被害者を多数出していたのはコイツでした。

 

かつて、私がパワハラ上司に何かにつけてキツくやられている頃に、社内随所でパワハラやセクハラが常態的に存在するということを知りました。

ハラスメントというものは受け取る側の印象にも多分に左右はされるので、必ずしも絶対そうとは限らないですが、多く名前が挙がることと、エピソードを伺ってきてやっぱりおかしいだろうっていうのとを考えると、私がずっと問題視してきた4人は罰されなくてはならないと思っていました。

 

1人目、2人目はクビになった。

3人目はかなり厳しい文面によって断罪された(もはや次はないぞ、という勢いの文書だった)。

この間ずっと目立った処分もなされていない4人目こそが、このおばさんでした。

13年2か月の因果応報で、左遷。ちょっと甘いような気はしますが、やはり恩讐は巡り廻るのです。

 

本部に巣喰う魔物は一掃された、が

こうして「問題があるよな~」と思っていた職員は飛ばされていった。

これで、全て解決だ…が。

人は必要悪含んで派閥、徒党を組む。

女性比率の圧倒的に高い職場なので、色々あるんだろうなというのは大概想像がつきます。

 

確かに私の挙動を契機として、4人の悪は断罪されました。2人解雇、1人左遷、1人厳重注意。その他も2桁の人間が注意を受けたりしています。

社内的に無傷で済んだものはいないという結末です。

 

しかし、いまこうして無人の荒野にいると、果たして私がやるべきことだったのかどうかはわかりません。

この間に私も、心を病み、長期の休職があり、ろくな仕事もできず、あたら働き盛りの数年間を浪費してしまいました。つまらない話に過ぎないにしても、社内でのある種の階段も踏み外しているし、私が受けている不利益だってそれなりに大きい。

 

そうまでしてドラゴンバスターをやらなきゃならなかったのか?という疑問はぬぐえないでいます。

 

まだ、この一連の討伐がどんな意味を持つのかはわからないけれど、前向いて仕事頑張っていくしかないのかなと考えております。